飲む場面を思い描きながら味を考え、原料、工程、衛生、記録まで一つひとつ確かめる。豊橋麦酒醸造所が大切にしたい、ビールづくりと品質への考え方をご紹介します。
飲む場面から味を考える
料理を食べながら飲むビール。静かに本を読みながら味わうビール。お祝いの最初の一杯。それぞれに似合う香り、苦み、口当たり、炭酸があります。私たちは、どのような時間に飲んでいただきたいかを考え、その場面に合う味を組み立てていきます。
飲みやすさを大切にしながら、麦の風味や飲みごたえもしっかり残す。香りを楽しめても、後味が重くなりすぎない。ひと口の印象だけでなく、食事や会話と一緒に味わったときの心地よさを目指しています。
小さな試作にも本番と同じ目線を
少量の試作でも、温度や時間、糖度、水の状態などを記録し、どの工程が仕上がりに影響したのかを確かめます。うまくいった理由を知ることも、狙いと違った理由を探すことも、次の一杯につながります。
量が増えれば、同じ材料を同じ比率にするだけでは解決しないことも出てきます。現場で学んだ機械の扱い方や作業の進め方を、小さな試作の記録と照らし合わせ、自社設備に合う方法へ整えていきます。
水と麦芽とホップと酵母
麦芽は、色や麦の風味、口に含んだときの厚みをつくります。ホップは、苦みだけでなく、花、柑橘、果実を思わせる香りを添えます。酵母が働く温度や時間によっても、味や香りの表情は変わります。そして、それらを支える水の状態も大切です。
原料ごとの個性を理解し、何を強く感じてもらい、何を控えるのかを考えます。試作と試飲を繰り返し、狙いに合った組み合わせを探していきます。
洗浄と記録を基本にする
醸造では、仕込みの技術と同じように、設備を清潔に保つことが重要です。仕込設備、タンク、配管、充填する容器、提供するサーバーまで、作業と確認の方法を整えます。
仕込みごとの原料や工程、発酵の経過、包装、保管、出荷の確認を結び付け、何かあったときに状況をたどれる記録を残す方針です。できあがりの香りや味も確認し、販売できる状態かを判断します。
デジタルの力を現場の確認に生かす
醸造に必要な記録や計算を整理するため、独自の醸造支援アプリを準備しています。温度や糖度、工程の進み具合、写真などを残し、前回の記録と比較しやすくする取り組みです。
AIの提案をそのまま品質の保証にすることはありません。資料、測定結果、現場での確認を照らし合わせ、人が判断するために活用します。つくる人が考え、確かめる時間をしっかり取れる運営を目指しています。
お客様の手元まで味を守る
冷蔵での保管や配送、瓶の破損を防ぐ梱包など、製造後の扱いにも目を向けています。ネット販売で積み重ねてきた経験を生かし、注文を受けてからお届けするまでの流れを整えていきます。商品の保存方法と飲み方は、商品ごとに分かりやすくご案内します。
